大気圧の計算

 トリチェリの実験によると、水銀柱の高さは760mm(760mmHgと書く)になりました。これは、大気の圧力が水銀をこの高さまで押し上げているといえます。そして、高さ760mmのところで水銀柱と大気圧が釣り合ったわけですから、水銀柱の重さが1気圧です。

 その重さは、

76(cm)×水銀の密度13.595(g/cm)=1033(g/cm)

 すなわち、

 1気圧(atm)=1033(g/cm)=1.033(kg/cm)

 となりますが、現在ではこの単位は使われずパスカル(Pa)が用いられます。

 1パスカル(Pa)=1ニュートン(N/m)ですから、

 重力は、9.80665(N/kg)、

 1.033(kg/cm)×9.80665(N/kg)=10.13(N/cm)=1013×10(N/m)=13×10(Pa)=1気圧(atm)

 また、10(Pa)=1000ヘクトパスカル(hPa)なので、

 1気圧(atm)=1000(hPa)×1013×10(Pa))/10(Pa)=1013ヘクトパスカル(hPa)

  トリチェリ [Evangelista Torricelli] (1608〜16477) イタリアの物理学者・数学者。この真空に関する実験は1643におこなった。そのほか、幾何学に関する研究も数多い。