静振

 広い湾や大きな湖では、風などによって水面が押されると、押されていない方の水面があがります。風がやむと、水面は同じ高さに戻ろうとしますが、水は運動エネルギーを持っていますから、ちょう、シーソーが代わる代わる上がったり下がったりするのと同じ現象を起こします。これを靜振(セイシュ)といいます。

 靜振は、気圧の変動によってもおこります。  靜振は、湾や湖が持つ固有の振動周期です。特に、外海に開いた湾では、外からくる波と靜振が共鳴すると湾奥の水位が異常にあがります。チリ津波の被害が大きくなったのは、これによります。


 湖の場合、1回の振動に要する時間Tは、L:湖の長さ h:平均の深さ g:重力加速度とすると、

 T=2L/√gh で計算されます。

 主な湖の静振周期
湖沼 静振周期の時間(分)
琵琶湖 71.8
河口湖 23.0
諏訪湖 20.8
猪苗代湖 19.1
芦ノ湖 15.4
屈斜路湖 15.2
山中湖 15.2
中禅寺湖  7.9
木崎湖  6.1

(鈴木静夫 日本の湖沼−湖沼学入門ー 内田老鶴圃新社)