日本の生物分布

日本の海は、多様性にとんでいます。
左図は、生物群集の気候的特性からみた日本近海の区域区分です。
これらの生物気候帯の、世界の海の生物地理区との関連は、次のようになります。

区域区分 対応する生物地理区
亜熱帯区 インド−西太平洋区
暖温帯から冷温帯 東亜区の南区、中区、北区
亜寒帯区 北太平洋区


[回遊魚]

寒流系 サケ・マス類、ニシン、サンマ
暖流系 カツオ・マグロ類、ブリ、アジ、サバ、イワシなど

[沿岸性の魚類]

北海道周辺 タラ類、ヒラメ・カレイ類、カジカ類など
中部から北部にかけて カサゴ・メバル類、ギンポ類など
中部から南部にかけて タイ類、メジナ類、ウツボ類、タツノオトシゴ・ヨウジウオ類など
南方サンゴ礁海域 スズメダイ類、ベラ類、チョウチョウウオ類、モンガラカワハギ類など

[底性動物]

北海道周辺 ハナサキガニ、タラバガビなど
中部以北の寒流系 クリガニ、ホタテガイ、ホッキガイ、キタムラサキウニなど
中部以南の暖流系 イセエビ、タカアシガニ、サザエ、アコヤガイ、アカウニなど
サンゴ礁海域 ゴシキエビ、シャコガイ類、タカラガイ類、イモガイ類、パイプウニ、オニヒトデなど
日本海沿岸の代表種 ズワイガニ、エゾバイ類

[海藻]

北海道や北部の寒流系 褐藻 コンブ類、チガイソ類、ヒバマタ、マツモなど
紅藻 ギンナンソウなど
北・中部にかけて 褐藻 アラメ・カジメ類、ワカメ、ホンダワラ類、ヒジキなど
緑藻 ミルなど
紅藻 テングサ類、ツノマタなど
サンゴ礁海域 褐藻 褐藻ホンダワラ類のラッパモクなど
緑藻 イワツタ類、サボテングサ類、カサノリ、タマコバロニアなど
紅藻 コナハダ類など

 北方の寒海域では、コンブ類やホンダワラ類など大型褐藻がよく繁茂して海中林や藻場をつくる。
 南方の暖海域では、コンブ類がなくホンダワラ類も大型種はみられない。
 中部の温帯域では、大型褐藻の海中林や藻場が広がり、紅藻や緑藻もよく繁茂する。