空気の組成

 水と空気では、次のような性質の違いがあります。

密度

水の密度は空気の820倍。

比熱

空気の比熱は海水の4分の1
水は太陽熱の貯蔵庫。水温からみた海の季節は2ヶ月位遅れます。陸と海に季節感のずれがあります。

粘性

粘性係数は水の方が空気より2桁も大きい。しかし、それを密度で割った(表の単位を使うときは、更にそれに重力加速度を掛けた)”動粘性係数”が、水の方が1桁小さい。すなわち、同じ大きさの物体が、同じ速度で空中と水中を動く場合、慣性力と粘性力の比を示すレイノルズ数(速度×長さ/動粘性係数)が、水中では空中に対して1桁大きくなる。したがってこれは、水中では慣性力に比べ粘性力が少ないことを物語っている。
大きな船は止まりにくく、遠くであっても衝突することがあります。 頻繁にフィンを動かさずに、慣性力を利用した泳ぎは、体力の消耗を防ぐことができます。

音速

水は空気の4倍も音を速く伝える。このことは、同じ周波数の音に対して、波長が水中で4倍になることであり、減衰が少なく、電波や光よりも遠方まで到達する。
魚群探知機や測深機に利用されます。

熱伝導率

海水は空気の25倍も大きいが、金属に比べると2桁は小さい。
潜水服(ウエットスーツやドライスーツ)が必要です。

(東 昭著:生物の泳法:ブルーバックス):緑文字は加筆

 標準状態(1気圧、15℃)の水と空気の性質

項目

空気

真水

海水

密度

1000(kg/m3)

1025(kg/m3)

1226×10-3(kg/m3)

定圧比熱(cal/g.deg)

1.00

0.94

0.24

粘性係数(kg.sec/m2)

1.16×10-4

1.25×10-4

1.82×10-6

動粘性係数(m2/sec)

1.14×10-6

1.09×10-6

14.6×10-6

音速(m/sec)

1,460

1,500

330(乾燥)〜340

熱伝導率(cal/cm.sec.deg)

1.4×10-3

1.35×10-3

6×10-5

(理科年表)

 比熱: 1gの物質の温度を1 ℃上げるに必要な熱量 (cal/g)

 熱伝導率:物質内 で1cm離れたところの温度が1 ℃上がる速さ(熱量/時間)