換気量

 分時換気量:1分間に換気する空気量をいいます。

 1回換気量:1回の呼吸における吸気量と呼気量の和をいいます。

 分時換気量は、

 分時換気量=1回換気量×1分間の呼吸数

 となります。

 分時換気量が肺胞まで届いて、実際のガス交換に与える換気量を、肺胞換気量といい、

 肺胞換気量=(1回換気量−呼吸死腔)×1分間の呼吸数

 という関係があります。

 それでは、「ゆっくり深い呼吸」と「速くて浅い呼吸」を比較してみます。

 例えば、ある運動1分間に必要な空気量、すなわち分時換気量を18リットルとします。

 呼吸死腔は、気道、スノーケル、マスクの容積の総和で500ml(0.5リットル)とします。

 「ゆっくり深い呼吸」で1回換気量1.2リットルで、1分間の呼吸数を15回とします。

 このときの分時換気量は、1.2リットル×15=18リットル

 また、肺胞換気量は、(1.2−0.5)×15=10.5リットル

 です。

 次に「速くて浅い呼吸」で1回換気量0.9リットルで、1分間の呼吸数を20回とします。

 このときの分時換気量は、0.9リットル×20=18リットル

 また、肺胞換気量は、(0.9−0.5)×20=リットル

 となり、「ゆっくり深い呼吸」の方が、おなじ分時換気量でも肺胞換気量が多く、それだけ有効に酸素が体内に取りこまれるわけです。

 スノーケル呼吸では、運動量に見合った呼吸回数をしていれば、何ら問題ありません。しかし、これはスクーバダイビングでは重要な意味を持ってきます。予備知識として覚えておいて下さい。