この講座は、あなた自身が行おうとするダイビングにおいて、あなた自身の判断で安全にダイビングできることを目指しています。つまりガイドがいてもいなくても、自分の安全は自ら守るということです。
ですから、習う前にある程度のダイビングに関する知識を得ておいてほしいのです。
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水中に入ると→人体には水圧が加わり、深く潜れば潜るほど身体のかかる圧力は増し、高い圧力下では直接的に間接的にさまざまな生理的作用を受けます。
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また、水の性質によって→視覚、聴覚、触覚、臭覚、味覚、いわゆる五感が全く異なってきます。身体運動は歩く動作が、泳ぐ動作に変わります。
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そして→たくさんの用具や器材を使います。
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さらに→波や潮流や水温や危険な生物やポイントの状況など、海や湖の現象にも配慮しなくてはなりません。
などなどです。 初めてダイビングを習う人でも潜って習うわけですから、このような水の物理的性質や海の自然現象から離れて習うことは不可能です。スキーのように、ちょっとゆるい斜面から、というわけにはいかないのです。
日本には潜水士免許という国家試験があります。水中作業などに従事する職業潜水士、通称プロの世界ではこの免許を持っていないと、潜水を習うことができないのです。なぜなら、プロの世界では潜水を習うこと自体が潜水業務となるからです。
この潜水士免許試験は学科試験だけですが、その理由は、「陸上とは違う水中のさまざまな現象を知ってから習う」という考え方に基づいています。
マリンスポーツとしてのダイビングを楽しむ人には、潜水士免許は必要ありません。その理由は、スポーツやレジャーは自己の責任下で行われるものだからです。しかし、マリンスポーツやレジャーでのダイビングを習う人にとっても、潜水士免許の考え方は大切です。実技実習前に、ダイビングに関する充分な知識を得ておくことは、実技実習の安全を高め、技術習得を円滑にし、確かにすることができます。
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