【潜水における空気消費量】
このタンクでどのくらいの時間潜っていられるの?。素朴な疑問です。レギュレーターは自動的に、ダイバーがいる水深の圧力(環境圧)と同じ圧力の空気を送ります。すなわち、水深10mなら2気圧、20mなら3気圧というようにです。ですから、ダイバーは、水深10mなら水面(陸)にいるときの2倍、20mなら3倍の量の空気(注)を吸っていることになります。
例えば、ある運動量で水面(陸)で毎分20リットルの空気を消費しているとすれば、水深10mなら40リットル、20mなら60リットルとなります。すなわち、水深によって空気消費量は違い深くなるいほど多くなります。
この例で、少し細かく計算しておきましょう。
使用タンクは、10リットルで、充てんされている圧力は200(kg/cm2)とします。
このタンクに入っている空気の体積は、タンクの容積と充てん圧力の積なので、2,000リットルです。
例えば、毎分20リットルの空気の消費とすると、各水深の環境圧との積が、その深度の消費量になります。
このタンクで潜っていられる時間(空気消費量からみた潜水時間)は、2,000リットルを各水深の消費量で割ったものです。
水深(m)
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環境圧(周囲圧)
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消費量
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空気消費量からみた潜水時間
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0
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1.0
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20
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100
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5
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1.5
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30
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66
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10
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2.0
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40
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50
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15
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2.5
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50
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40
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20
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3.0
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60
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33
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25
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3.5
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70
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28
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30
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4.0
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80
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25
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35
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4.5
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90
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22
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40
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5.0
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100
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20
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空気消費量からみた潜水時間は、次の式によって計算します。
空気消費量からみた潜水時間:T
タンクの容積:V
充てん圧力:P
毎分の消費量:V0
水深:D
とすると、
T=PV/(1+(D/10))V0 ・(D/10)は絶対圧力
ダイバーにとっては、自分は毎分どのくらいの空気を消費するのだろう、と気になってきます。運動量によって違ってきますが、ある一定の水深を何分か潜り泳ぎ、その使った圧力から知ることができます。機会があったら一度やっておくといいでしょう。
残圧計をみて、最初の圧力を:P1
何分か潜った時間あとの圧力を:P2
潜る水深:D
何分かの時間(潜水時間):T
とすると、
V0=(P1−P2)V/T(1+(D/10))
で計算できますが、ある水深で使った圧力の(P1−P2)だけでも知っておくと、何かにつけて参考になります。
(注)
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肺の体積からすると、密度の高い空気ということになります。また濃度の高い(濃い)空気ともいえます。
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