ロープワーク

 ダイビングをより習熟するには、水中で潜ること意外の動作(作業)をしてみることです。しのような動作に集中していると、呼吸のリズムが自然になり、動作も落ち着いてきます。それには、ロープワークを主にした「サーチアンドリカバリー(捜索と回収)」の練習が最適です。

  1. 水中にあるもの(千両箱?)を探し、

  2. それをロープで、リフトバッグとつなぎ、

  3. リフトバックに空気を入れ、リフトバッグの浮力を利用して水面に引き上げる、

といった軽いサルベージの練習をします。軽いサルベージといってもレクリエーションダイバーが、現実的にこのような作業を伴ったダイビングをすることは皆無といってもいいでしょう。しかし、潜ることばかりでなく、ほかのことをしているといつの間にか知らず知らずにダイビングのスキルが上達し安定してきます。ナビゲーション同様、サーチアンドリカバリーの実習は、ダイビングスキルに慣熟したり、身のこなしをよくしたり、水中での思考力を高めたりする目的があります。

【ロープの結び方】

 ロープの結び方を知っておくと、人手のないときボートの係留やアンカリングを手伝うことができて船長さんに喜ばれたりします。また、普段の生活でも何かに役に立ちます。ロープ結びはいざ水中でやると陸上のようにスムーズにいきません。水中で思考力が低下するのを実感できるところです。

 ロープの結び方は多種ありますが、よく使われる4つの結び方を紹介しますので、これらの結び方は目を瞑っていても手先の感覚だけで結べるように練習してください。
    

結び方
呼び名
用途&特徴
 もやい結びあるいはボウライン。
 ボートを係留するときや、ものを確保するときに用います。

 輪の大きさが固定されるので、締め付けてはいけないもの(例えば身体など)を確保します。

 結び目に大きい荷重がかかっても解きやすい結び方です。

 シートベンドあるいはひとえつぎ。

 二本のロープを繋ぐときに用います。

 堅固に繋ぐことができます。

 ツーハーフヒッチあるいはふたむすび。  輪がしまるので、締め付けられてもいいものに利用します。

クラブヒッチ

船の係留に使います。
 

【リフトバッグ】

 引き上げるものとリフトバッグをロープで繋いだら、リフトバッグの口からエアーを入れます。オクトパスレギュレーターを使用したほうが安心です。空気が入るに連れリフトバッグは浮き上がり、ロープは張ってきます。そして全体が浮き上がっていきます。

 リフトバッグには余分な空気を逃がすために、排気弁がついていますが浮き上がる速度は速くなりますから、浮き上がり始めたら引き上げ物から離れることです。リフトバックは勢いのため踊るように浮き上がる場合もあって、結び方が確かでないと落ちる危険があります。
 水面に上がったらすぐに船に回収するか、引き上げ物を脱落させないように手当てしてから陸まで曳航します。

【注意すべきこと】

 水中のロープは浮力を得てフワフワしているので、陸上に比べてロープは扱いにくいものです。回収用ロープで自分が拘束されないように作業は慎重に行います。むろんインストラクターの指示と監視のもとで行ってください。