【気体の性質】
酸素は呼吸によって体内に取り入れられ、血液によって各器官に供給され、頭脳の活動に使われたり、運動のエネルギーとして消費されます。その結果、二酸化炭素になり血液を介して肺から呼気によって対外に排出されます。酸素のように代謝によって、二酸化炭素に変わる気体を活性ガスといいます。また、空気の中で大きな割合を占める窒素は、体内に取り入れられても別の物質に変わらないので不活性ガスといいます(注2)。
[窒素]
分圧が高くなると麻酔作用を起こし、また身体の組織に溶けこみ減圧症の原因となります。スキンダイビングではあまり問題になりませんが、スクーバダイビングでは窒素への認識を高めておかねばなりません。
[酸素]
酸素は生物の生存に欠かせません。酸素が不足すると一瞬にして気を失います(ブラックアウト)。スキンダイビングでは、このことをよく知っておかねばなりません。
逆に酸素の分圧が高くなると、中毒を起こします。スクーバダイビングで最近よく用いられるナイトロックス(酸素濃度を高くした潜水用混合ガス)を使用する際には、酸素中毒ということも知っておかねばなりません。
[二酸化炭素(炭酸ガス)]
二酸化炭素は、生体細胞内でのエネルギー放出の最終的な産物として作り出され、呼吸中枢を刺激して呼吸をうながすトリガー(引金)の役目をしています。空気中の二酸化炭素の濃度が高かったりすると、頭痛、意識障害などの中毒作用を起こします。
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