音は、空気中では毎秒330〜340メートルの速度で伝わります。耳は左右にありますが、片方ずつの耳で音の速度のわずかな時間差を聞き分け、音源の方向を知ります(両耳効果あるいはステレオ効果)。
しかし、水中では、毎秒1460〜1500メートルもの速度で伝わります。すなわち、水中では空気中の4倍くらいの速さで音は伝わります。これによって、空気中のようにわずかな時間差を聞き分けることができません。そのうえ、反射音などもこの速度で入り乱れますから、音源の方向知ることができません。
このために、船などがどちらの方向から向って来るのかが分かりません。スノーケリングやスキンダイビングで水面にいるときは、船のスクリュー音が聞こえたら、顔をあげあたりを見まわせば確認できますから、船が遠ざかるまで移動したり潜ったりしないことです。
しかし、スクーバダイビングでは、スクリュー音がしているときに浮上すると船にぶつかってしまうおそれがあります。水中に潜っているときは、音がだんだん大きくなれば近づいてくる、音がだんだん小さくなれば遠ざかる、という判断をして浮上をします。それまでは、海中にいて音が小さくなるまで待つようにします。
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