水深計・水温計・水中時計

 何メートルくらい潜れたか、何分くらい潜れるようになったか、水温はどのくらいだろう、のことは知っておきたい事柄です。それには、水深計や水中時計や水温計が必要です。スクーバダイビング器材としては、充実したものが揃っていますが、スノーケリングやスキンダイビングでは、ちょっと大げさすぎて使いづらい感じがします。スノーケリングやスキンダイビングとしてこれらのものを考えてみましょう。


【水深計】

 スクーバダイビング用の計器(ゲージ)類は、コンソールボックスにまとめられて単独で使うには不自由です。水深計も時計のように腕に付けて使用できますが、コンソールから外したり戻したり面倒です。表示盤はスクーバダイビングを対象としているので、最大目盛70〜80メートルのものが多く、10メートル前後の水深が活動範囲の一般的なスキンダイバーには目盛がこまかすぎます。一昔前には、毛細管式水深計といって非常に簡単な水深計があったのですが、最近はダイビングショップの店頭でもとんと見かけなくなりました。

 原理は「気体の体積は、圧力に反比例する」という法則を、そのまま目に見えるようにしたものですから、自分で作ることもできます。内径1mm位の透明な細いビニール管を用意します。そしてその両端をふさぎますが、長さは計算しやすいために10cmにします。片側の先端部に水の侵入孔を開けます。そしてこの管を板に固定すればできあがりです。

 この管を水中にいれると、管内の空気は圧縮されるので水が侵入孔より入ります。水深10mでは水は管のちょうど中央まで入ります。ボイルの法則を思い出して、水の入る長さを計算して板に目盛を書きこみます。水深10mまでは管の半分を使いますので、浅い深度はかえって読みやすい水深計となります。
 
【水中時計・水深計】

 最近の時計の防水機能はたいしたもので、生活防水といってもそこそこの水深でも耐えられるものも多くなりましたが、やはり水中時計として作られているものが安心です。

 デジタル時代になって、水中時計には時刻や日付表示だけでなく、水深・水温そしてログ(記録)機能が標準装備されて、1台で何役もこなす機器が発売され、選ぶのに迷うほど数々の種類が出まわっています。
 水深計部はデジタル式で、水深を10cm刻みで表示するので、スキンダイバーにとっては嬉しいかぎりです。
 これから水中時計を用意する方は、水深や水温の計測機能が付いているものほうがいいでしょう(注)

 時刻や日付を合わせたとき、リューズをしっかり固定しないと、水漏れの原因になりますから注意してください。

 従来のアナログ時計は、外周の回転ベゼルの0点を、海に入るとき長針に合わせます。そして進んだ長針を外周の目盛で読めば経過時間を知ることができます。また、何分後に海から上がろうと決めたときは、あらかじめ終了時刻に回転ベゼルの0点を持っていっておきます。そしてそこに長針がきたら海から上がるようにします。

 海に入っていると、ついつい時間を忘れてしまいます。このように回転ベゼルを積極的に使うことは、スノーケリングやダイビング活動に計画性を持たせる練習になります。

(注)

水中時計の機能に、スクーバダイビングでのマルチダイビング(減圧計算)機能が付加されているものがダイビングコンピューターです。スクーバダイビングに進まれる方は水中時計にしておくか、ダイビングコンピューターにするか、迷うところです。ダイビングショップの人やインストラクターや先輩のアドバイスを参考にして決めるとよいでしょう。

 

【水温計】

 アナロブの水中時計のベルト(金属ベルトでないもの)に付ける小さな水温計です。







【コンパス
 左は時計のベルトに付けるもの。右は本格的なコンパス。コンパスの使い方は仕様によって異なりますので、インストラクターにしっかりと教わってください。