フィンの形状

【形状による分類】

 フィンの形状は、次の表のように分類されます。

横断面の形状

フットポケットの形

フロート形式

材質

大まかな用途

オフセット型

ブーツ(靴)タイプ

フロート型

プラスチック系に多い。

柔らかいものから硬いものまである。
一般に普及している。

ノンフロート型

合成ゴム系に多い。

柔らかいものから硬いものまである。
大人用から子供用まで一般に普及している。

ストラップタイプ

フロート型

プラスチック系に多い。

柔らかいものから硬いものまである。
一般に普及している。

ノンフロート型

合成ゴム系多い。

柔らかいものから硬いものまである。
一般に最も普及している。

ストレート型

ブーツタイプ

ノンフロート型

特殊プラスチック。

素潜り競技やフィン競泳に使用されるブレードの長いフィンに多い。

ストラップタイプ

ノンフロート型

グラスファイバーや特殊プラスチック。

フィンスイミングに使われるモノフィン(単板)やビーフィン(注)
合成ゴム系では子供用に若干みられる。

 

(注)

フィンスイミングでは、モノフィン(単板)に対して、通常のフィンをビーフィンといっています。

 

【オフセット型とストレート型】

 オフセット型は、フィンを横から見たときフィン全体が下向きにカーブしているフィンをいい、ストレート型はこのカーブがなく全体が直線的なフィンをいいます。左図はオフセットフィンで、青がブーツタイプ、黄色がストラップタイプです。

 フィンの上下運動を1サイクルとし、1サイクルで得られる推進力を全推進力とします。相当昔のデータですが、フレッド・M・ロバーツのフィンの運動分析によると、ストレートフィンは、アップストロークでは全推進力の75%を生み出し、ダウンストロークは全推進力の25%しか生み出していません。つまりアップストロークは、ダウンストロークに比べて4倍もの運動抵抗を受けていることになります。この反動で、上体は沈む方向の力を受けることになり、足の負担や泳ぐ姿勢に著しい不均衡を生ずることになります。

 オフセットフィンは、アップストロークとダウンストロークの運動抵抗を均一化し、ストレートフィンの力の不均衡を改善するために考案され、今では、ほとんどがオフセットフィンです(左図は、オフセット型のブーツタイプとストラップタイプ)

 いずれにせよ、フィンキックは片方のストロークだけで作用しているわけではありません。片方のダウンストロークはもう片方のアップストロークの水のおさえ、片方のアップストロークはもう片方のダウンストロークの水のおさえ、と互いに連続的な支点となって動作します。この「水のおさえ」を感覚的につかむことが、上達の早道です。

 

【ブーツタイプとストラップタイプ】

 外観上すぐわかります。靴のように足をすっぽり入れるのがブーツタイプ、かかとをストラップ(バンド)で止めるものをストラップタイプといいます。どちらがいいかは、賛否両論わかれるところで個人の好みによりますが、一般的には、履いたり脱いだりするときの取り扱いのしやすさで決められているようです。

 ブーツタイプは、泳いでいるとき脱げやすいといわれますが、正しい足の動きをしていれば脱げません。脱げたら正しい足の動きをしていなかったと思ってください。その点、ストラップタイプは無理な足の動きがあったとしても、ブーツタイプより外れにくいです。
 どちらも使いなれてしまえば同じです。自分が使いやすいと思った方を選べばいいでしょう。

 

【フロートタイプとノンフロートタイプ】

 フロートタイプは、比重が水よりも小さく、したがって浮いてくるので、使用中フィンが外れたとき、波にさらわれとき、ボートや岸から落としたときに、水面で発見しやすい利点があります。
 ノンフロートタイプは、水よりやや比重が大きいくらいなので、沈むといっても鉄の玉が沈んでいくようなスピートでなく、ゆっくり沈みます。泳いでいるときに外れても、あわてずに回りを見渡せば必ず見つけられます。しかし、波にさらわれたり、落ちたりしたとき、気が付かないでいると見つけるのは困難になりますから注意してください。

 フロートタイプは立位姿勢が取りにくく、ノンフロートタイプは立位姿勢になりやすい、といったことぐらいで、ここで比重の差をちょっと感じますが、練習や使い慣れでおぎなえます。

 

【さて、フィンの選び方:その2】
 スノーケリングを含めた広い意味でのダイビング活動では、足にやさしい砂浜の海はあまり対象になりません。岩やサンゴ礁、ゴロタ石や玉砂利など、海への出入りが足に険しいところが多いものです。そんなところを通りますから、素足では痛く、ビーチサンダルは滑りやすく、怪我でもしたら、せっかくの楽しみも台無しです。足を守るための専用ブーツがあります。厚さ3.5mmのウエットスーツ地とゴム底を一体成型した履物で、これを履いていれば海岸の難所を歩くのもずいぶん楽になります。

 フィンは、この専用ブーツを履いた上に、履けるものを選びます。フィンのフットポケットのサイズは、ブーツを履いたときのサイズにすることが肝要です。フットポケットのサイズが大きくなると、必然的にブレードの面積も大きくなるので、材質の柔らかさとの兼ね合いも入れて選びます。

メーカーによって、フットポケットのサイズはまちまちですから、フィンを選ぶときは、ブーツもフィンも履いて選ぶのがベストです。ブーツ型フィンは、素足サイズの1から2サイズ上になります。その点、ストラップ型フィンは、かなりの許容量があります。

 

【グローブとメッシュバッグ】

[
グローブ]
 足元ができたら、手も防護しましょう。

 お風呂に長くつかっていると、手の平が柔らかくなると同じように海でもおこります。
 こんなとき、岩肌やそれに付いているフジツボなどに触るとすぐに手の平が切れます。
 海での切り傷はあまり化膿することはないですがヒリヒリと痛いものです。
 人工皮革で作られているダイビング用グローブは、水を含むと柔らかくなり使い勝手がよく、摩擦にも強いです。

[メッシュバッグ]
 ダイビングの用具や機材は、形も大きさもまちまちで、けっこう始末しにくいものです。
 使用後は水を含んでいるので、水はけのないバッグは水を持って歩くようなことになります。
 海辺への行き帰りには、網でできているバッグを使うと、機材もまとまりまり、水もはけてとても便利です。但し、このまま自動車に積んだり電車に持ち込んだりすると、自動車や電車の乗客に迷惑がかかるので、メッシュバッグは海辺で使うものとしてください。